2018年度のイケメンおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2018年度のイケメン成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番の2018年度のイケメンおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.3 1 2018年度のイケメンアニメランキング1位
ヲタクに恋は難しい(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (667)
3377人が棚に入れました
アニメやマンガが大好きなことを隠している成海と、イケメンで仕事もできるが、重度のゲーム好きの宏嵩のオタク同士の不器用な恋愛模様が描かれる。

声優・キャラクター
伊達朱里紗、伊東健人、沢城みゆき、杉田智和、梶裕貴、悠木碧
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

何か犯罪を犯した時に「アニメの影響受けました」って言いそう

2話までの感想{netabare}
ええ、ヲタじゃないんじゃ?
と思ってしまってはイカんのだろうか。
ニワカ臭さが半端ないというか、なんでゲーヲタが2ch用語使うんだ?
「どうする?」じゃなくて「コマンド?」じゃないの?、とついつい突っ込まずにいられないのがヲタだと思うが。
で、改めてヲタの条件を考えてみたけど…長くなったので割愛。
とりあえず自己紹介で趣味はなんですか?って聞かれて答えたらそれのヲタク扱いされるって世界なのかな?(=趣味ナシが一番偉い)

ヒロインは以前の職場でヲタが原因で恋愛失敗して今の会社に来たってことらしい。
どんな失敗をしたのかが気になる、当人の証言だけでは信憑性が薄い。
実はサークルクラッシャーだったりして。
前回の失敗から似たようなシチュには消極的とかそれこそトラウマ持ってるとかで、それについ踏み込んでしまって~なんて展開は来ないのだろうか。{/netabare}

4話までの感想{netabare}
とりあえずこの世界のヲタクの条件とは「マンガ・アニメ・ゲーム好き」だけを指してるってことでいいのかな?
車や鉄道、ましてや園芸なんかはどんなにハマっててもヲタではないっぽい。
そいつの部屋見せてもらったら壁一面にモデルガンが飾ってあったとしてもヲタではない扱い、でいいのかな?
とはいえ描写からは、コイツ本当に「マンガ・アニメ・ゲーム」(のどれか)好きなんかなぁ?と首を傾げる。

かつて非オタクと付き合ってたがオタクであることが原因でフラれた、っていう設定。
それ、具体的にどんなことがあったのか語ってはくれないのだろうか。
オタクと非オタとの衝突ポイントはどこ?ヲタのどういうところが非オタから嫌われるの?
もっというと「その衝突ポイントはオタク同士であるなら解消されるのだろうか」ってのが見たいワケで。
ってか、それがテーマじゃないのん?
一応3話で「イベント優先で二人の時間を大切にしない」ってのは描かれたけど、それがフラれた直接の原因かどうかは不明。
ライトなヲタが居るのは分かるけど、それだと「恋愛の障害にならない」程度のことでしかなく、タイトルと噛み合わないというか…。
非ヲタだってモテないヤツはゴマンと居るでしょうに。
“3D彼女”のほうがよっぽど「ヲタクに恋は難しい」に相応しい内容な気ががが。

そして4話、個人的にヲタのダメな部分と思ってる「趣味の強要」ネタが出まして。
って、あれ?それ許容しちゃうんだ。
う~ん?こういうのってむしろ非ヲタ(ノリのいい人)の方が乗っかってこない?
ヲタっていうのは良くも悪くも頑固で、一度「オレはやらん」と決めたらテコでも動かないタイプだと思うのだが(極論言えば周囲からどんなに「その趣味やめろ」と言われても止めないのがオタ)。
これじゃあヲタ同士の恋じゃないような…。
なにより自分がコスプレ強要されたら別れるぞっと(やったことが無いとは言ってない)。
ってか勧めるにしてもああじゃない。
もっとこう…外堀から埋めるというか真綿で首を絞めるというか、「あれ、オレもやらなきゃダメなんかな」って誘導するのが肝要で、あんな真正面から「やって」と迫るのはナシだ。
…って、それが出来たらオタじゃないのか?
セーラームーンにしても、まずは安藤絵がOKか否かで物議醸すのがオタじゃないのかなー、と思ったり。
あれで泣ける部分といったら里見八犬伝的な「アレ」だと思うのだけど(まさかゾイサイト×クンツァイトじゃあるまい)、「それに引き換えリューナイトってさぁ」と勝手に口を突くのがオタじゃないのかなー、とも思ったり。

というかさ、ヒロタカがゲーム楽しそうにやってるように全然見えない。
それは仏頂面ってことで気にしなくていいのかなーと思ったのだけど、その一方でナルミがイベント会場で女ヲタク同士で楽しく談笑してるところでちょっとヤキモチを妬く。

女性同士楽しそうでなによりと微笑ましく眺めるのが普通だと思うのだが…。
まぁこれは「都合のいいタイミングで妬いてくれる」っていう女性?の願望の現れなんかなーと思ったのだけど、ちょっと待て?
深淵を覗く者は~よろしく、じゃあこれ逆に、ヒロタカが楽しそうにゲームやってたらナルミは嫉妬するってことかいな?
仲間内、会社の同僚じゃなくて、自分の知らないヒロタカの知人同士で楽しくゲームやってたら機嫌悪くなるのかな?例えそれが男だらけであっても。
それはただの「恋が難しいタイプ」なだけでヲタに限った話ではないんじゃなかろうか…。

と、長々と書いてしまったけどここで更に書くことが。
↑の下書き書いた後に確認で初めて公式のキャラ紹介見て来たのだけど…えっ、ヒロタカってゲームだったらなんでも上手いだって?
えー、それは無いでしょー。
てっきりソロプレイが有利なゲーム限定なんだろうなと思ってたのだけど、それ以外も上手いってなると、ねぇ?
ソシャゲはよく知らんけどネトゲは大抵人脈のほうが重要だったり。
ウェブ上にも載ってない、他プレーヤーから直に聞かなければ分からない攻略情報なんてゴマンとあるし、鯖のトッププレーヤーが相棒引退して新たなパートナー探しに苦労してるとか聞いたことない?ないかー。
オーバーロード見たことないかー。
いやでも待てよ?
直接顔を突き合わせると口下手だけど、チャットでは饒舌らしい。
ナルミの知らないゲーム上の親しい人間が大量に居てもおかしくない、っていうか居ないとゲームが上手いってのはあり得ない。
そんな感じのネタ、今後出たりするのかねぇ?

とりあえず現状、ヲタに関する取材が浅いとどうしても思ってしまう。{/netabare}

7話までの感想{netabare}
あれ、順番間違ってね?
細かいツッコミ入れ出したら文句だらけになって大変になるのでスルーしてましたが、前の回でタカヒロに壁ドンさせて喜色満面で撮影会するシーンがありました。
その時「ん?こういう系(ナマモノ?)ってイケる人とそうでない人って結構ハッキリ分かれるような?(※)2人ともイケる系なん?」と思いまして。
で、その後の7話になって「そういうのイケる系ですか?」と確認する話をする…いや、それ知ってる前提で以前撮影会ネタやったんじゃないの?

※これに関しては他にも、3話(だったっけ?)でイベント会場で腐女子ブースに非腐男子のタカヒロを売り子に置いて注目を寄せるというシーン。
あれも、ああいう所ってある意味性癖を曝け出す場(同好の士の集まりだから安心していられる)なので、部外者が居ると抵抗覚える人が居るハズなんですよ。
普段“ヲタを隠してる人”の心理を全く汲み取ってない。

でもって更にはヲタとは関係ない部分でのツッコミ。
お前ら付き合ってるの隠してたのか!
ってので驚き、更に付き合ってるカノジョの噂話をされて怒るって…それは隠してるのが悪いよ。
どんなに噂話されてもニヤニヤ受け流す胆力か、それを楽しめる性癖持ちでないなら元から隠すなって、底意地が悪いよ、小学生かよ。
「お前付き合ってたのかよ」って知ってたなら言う側も気を遣うって。{/netabare}

断念{netabare}
8話だか9話まで粘ったけど断念。
これタイトルで損してるんじゃないかな?
そうさなぁ…「ファッションにわか半可通ヲタの華麗で優雅な日々」ってタイトルだったら文句も無いし、最後まで見続けられたかも知れない。
で、このタイトルだと何がアカンかっていうと「ヲタであるが故に恋愛に苦労する話」だと思っちゃうじゃん?
一話からしても、自分がヲタであるせいで非ヲタとの恋愛が破局して、しかもそれは転職を余儀なくする程の破局っぷりってのが示されてるワケで。
一方からの言い分のみだしどこまでが事実かは不明だけど、1話でこれを提示して、しかもそれの追及が無い以上これを事実・前提と踏まえて試聴するのが普通かと。
つまりは「非ヲタとはうまく付き合えない決定的な違いがあるはずだ」と。
で、「それはヲタである」に繋がってるワケで…けど、見てみるといつまで経ってもそんなコアなオタっぷりは見せない。
どこにも非オタと衝突するような気配は無いし、それどころかオタであること自体が疑わしい。

で、そうなってくると次に思うのは…別にヲタが理由で別れた訳ではなく、言い訳として「ヲタである」ってのを使っただけに見えて来てしまう。
ヲタに限らず誰でも直面する問題に対し「だって私ヲタだし」と、都合のいい逃げ口上・便利な道具としてヲタを使ってる気配。
人権とか平等とか、本来は美しい言葉のハズだったのにそれが便利すぎて濫用されて胡散臭くなってしまった言葉はよくあるけど、それと同じ扱い。
この匂いを感じた瞬間、拒絶する人はとことん拒絶するんじゃないかな?
いやぁ、ヲタってそんなに良いモンじゃないだろー。
近所で児童誘拐事件が起きたら真っ先に疑われるとか、近所で動物の射殺事件が起きればガンマニアが疑われるとか、そんな程度だろうに…。
そういった犯罪が起きるたびに「ウチらは関係ない、巻き込まないでくれ」って思ってるヲタは多いんじゃないかな?
ってかそういう思いに駆られる羽目になったヲタは多いんじゃない?
かくいう自分も園芸ヲタだと自称してるけど、もし近所で室内でホニャララ栽培してる人が捕まるようなことが起きたら自分も疑われちゃうのかなぁ、と思ったりするぞ?
(微粉ハイポ買ったりする時ちょっと思うよね、LEDは手を出してないけど…あ、ロフォ持ってると何か言われる?)

で、そういう誹(そし)りを受けることを覚悟してヲタやってるんじゃないのかい?、ヲタ隠してるのは誹りから免れるために隠してるんでしょ?
と思わせといて、誹りを覚悟してるどころか、むしろステータスであるかのような勘違い感…。
ファッションヲタク…つまりは自分を着飾るためにヲタを利用してるだけのクズにしか見えない。
意図的にクズとして描いてるならまだしも、そうでもなさそうでちょっと…。

と、文句は程々に。
途中で切ったからにはその理由もちゃんと書いておかないとアカンかなぁってことで。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

自縛の紐

二組のオタクカップルによるラブコメディ。

視聴していてよくわからないのは、「一般人」に対して「オタク」の恋愛はこんなに滑稽だと表現したいのか、「オタク」に対して「一般人」と違って恋愛はこんなに難しいと共感してほしいのか、何を言いたいのかうまく伝わってこないところにあるようだ。

過剰に「オタク」を自称するヒロインにとっては、「オタク」は一般人に対する劣位項として了解されているらしい。

しかし、いま現在、オタクと一般人の差や区別は、それほど決定的なものとして存在しているのだろうか。
ましてや、オタクは一般人の「下に」位置づけられるという社会的な了解が存在しているようには思えない。

ことさらに持ち出されるヒロインのオタク自意識は、あたかも身動きできないようにワザワザ自分自身を縛り付けているか、自分で築き上げた壁に頭をぶつけて「どこにも行けない」と嘆いて見せる自演のようで、不自然感がぬぐえない。


ヒロインが「一般社会」へ向ける視線は、常に自分を抑圧する否定性として一貫していて、自分を追い詰める圧力として意識されているように見える。
が、多くの視聴者にとって明らかなように、ヒロインは社会生活に適応していて、別に差別的な待遇を受けているわけでもなければ、「オタク」が露見したところで社会的に抹殺されるようなリスクを背負っているわけでもない。

『刑事コロンボ』の「自縛の紐」は、事故死を偽装するために被害者の死体に履かせた靴の紐が、逆に殺人犯を指摘する決め手となってしまった「自縛」の紐だった。
本作のヒロインの「自縛の紐」は、自身が縛り付けられているように見せかけながら、「一般人」の社会とやらに溶け込もうとしない言い訳を設定するために要請されているように見える。
縛られてるから仕方がない、という言い訳。
同時にそれは、縛られていない「一般人」であっても、何の抵抗もストレスもなく「一般社会」に溶け込んでいるわけではない、という当たり前の事実を見ないように顔を背ける言い訳でもある。

いや、むしろ積極的に、社会への敵意や無関心を正当化するために、抑圧され「差別」されている被害者ポジションとして「オタク」を特権的に位置づけたい欲望が、ヒロインの造形と不自然感のある本作の「世界」を支えているようだ。

ようするに、自分は何ものかによって「気分よく生きられない」よう強制されているという、気分的な「被害者意識」を支えるものとして、オタクは持ち出されている。


特にオタクに限った話ではないが、昨今のニュースでは、「差別発言をする自由」だの「男性差別に抗議するため女性専用車両を妨害する」だの、差別反対によって自分は傷ついているという架空の「被害者」性を基に差別行動を正当化する騒動が登場する。

ヒロインや主要人物の個人史において、他者=社会から不快な扱いを受けたりした経験が、当然にあるに違いない。
が、それは誰もが経験する、個別的で固有の経験だろう。
どんな人間でも、必ず社会との摩擦や衝突を経験する。

「キモい」と嘲笑されるとき、理由は「オタク」以外にも、「話し方が不明瞭」「服装が場違い」「その場の人間と思想立場が異なる」などの具体性が色々とあるだろう。
その「自分は傷ついた」理由を、具体性を離れて「オタクだから」という抽象性に拡大することは、自分自身から目をそらす逃避の一種と言われても仕方がない。

「女性専用車両」を見て不快を感じた「個人的な気分」を、「男性差別」というありもしないものへ拡大して自分の攻撃欲を正当化する薄汚い「責任逃れ」までは、あと一歩の距離しかない、という対象化が、そこには欠けている。


恋愛に対する不全感を「オタク」に求める設定は、オタクが広く持つ(と信じられている)恋愛において「差別されている」という架空の被害者意識へのアピールをもくろんだのかもしれない。
が、架空の「壁」でオタクと一般人を仕切るヒロインが実現できているのは、別にオタクでなくとも「あるある」とうなずき合える些末な共感でしかないようだ。

趣味に時間と金銭を使い、恋人と過ごす時間や金銭に支障をきたすのは、「オタク趣味」に限った話ではない。
たとえば、盆栽やスキューバダイビングや長唄でも同じことだ。
「一般人」からは理解できない金銭を使うというなら盆栽も同様だし、頻繁に海へ出かけてダイビングすれば恋人と過ごす時間は減るだろう。
普通の人からは何が楽しいのかわからないという点では、長唄も負けてはいない。

それらと「オタク趣味」を分けているのは、差別されているという「被害者意識」の有無だ。
「オタク」のみが特権的に被害者性を主張できるという空想性が、些末な共感しか得られない視聴感に帰結する。


「オタクはキモイ」と言われたなら、言ったものへ反撃すればいい。
「自縛の紐」で「オタク」であると自分を被害者化するのは、個別に反撃する困難から逃れて、「リア充爆発しろ」と一般人「全体」をカジュアルに「攻撃」する言い訳を作り出すためではないか。

恋愛や社会生活に対する不満を並べながら、それらと徹底的に対決することを諦めている言い訳として、「だってオタクだもん」という「自縛の紐」を持ち出すヒロインは、こうした加害性と裏表の被害者意識を体現するものとして、視聴していて共感を阻んでくる。

何かへの不満や愚痴は、常に「自業自得だろう」という反論に晒される余地を持つ。
これを避けるには、純粋な「被害者」の「正当な」抗議であるという理由付けが一番手軽で、だからこそ対立者は常に「被害者」の「純粋」性を攻撃する些末な口実を探す。

ヒロインの、恋愛や社会生活への不全感の愚痴を正当化する「被害者性」を支えるためには、あいまいに都合よく加害と被害の根拠づけに使いまわされる「オタク」概念は、有効とは言えないようだ。

視聴者が、何が言いたいのだろう、という違和感を感じるのは、この加害性へ転化する被害者意識について考察が不徹底で、ヒロインは一方的に被害者ポジションにいると疑わない製作者の無自覚のせいだろう。

単にそれぞれの個人が持つそれぞれの個性だと描いていれば、同じ趣味のカップルによる楽しいラブコメとしてごく普通に自然に話は転がっていくだろうに、この被害者意識による正当化の欲望が台無しにしているようだ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

現代人の恋

彼氏と別れたことが原因で会社を辞めた桃瀬成海は、
転職先で、幼馴染でオタク友達だった二藤宏嵩と再会する。
そこに会社の先輩でオタクの恋人同士である
小柳花子と樺倉太郎が加わり、オタクのカップルたちが、
衝突しながらも心を通わせていく、
pixiv発の少女漫画原作のコメディ。

アニメーション制作:A-1 PICTURES
監督・シリーズ構成:平池芳正、
キャラクターデザイン:安田京弘
原作:ふじた

2組のカップルたちが、オタクライフを満喫する様子が
描かれるのだが、オタク同士でも
細かい違いがあって、そこで諍いが起こる。
同じオタクでも好みのジャンルが違うため、
お互いのことを理解しなければいけない。
そしてオタクであるが故に自分の趣味を優先してしまい、
真っ当な恋をすることが難しいという物語。

よく考えてみると、こういう状況は
オタクに限らず、現代人の傾向としてよくある気がする。
情報化の広がりとともに好みが尖鋭化された現代においては、
昔のような単純な構図ではなくなっている。
自分の好きなことにこだわりを持つのは良いことだが、
それが他人に対する不寛容につながってしまう。
男女の付き合いでも同じことで、
大きなテーマのひとつとなっている。

桃瀬成海(隠れ腐女子)と二藤宏嵩(ゲームオタク特化型)
小柳花子(腐女子・コスプレイヤー)と樺倉太郎(ライトオタク)

基本的には同じ会社の同僚である
この4人のカップルを中心に話が進んでいく。

特に小柳と樺倉のカップルは衝突が絶えない。
年下で女性の小柳のほうがディープなオタクで、
樺倉と一緒に色々と楽しみたいのだが、
樺倉のほうは、オタクであることに対する
羞恥心があり、小柳からの要求にいちいち突っかかってしまう。

こう書いてしまうと、樺倉の不寛容が悪いように感じるが、
要求してくることの難易度が高いのだ。
腐女子というのは、男同士の絡みに高揚するわけで、
それにコスプレや撮影が付いてくるとなかなか厳しいものがある。
ハードルが高すぎて付いていけなくても仕方ないようにも思える。
そして、腐女子にとっては、男のどちらが
「受け」と「攻め」であるかも重要だということを
この作品で初めて知った。
{netabare}成海と小柳の女子2人がファミレスで
自分たちの彼氏同士がカップルになった場合には
どちらが「受け」で「攻め」になるかということで
熱い議論を交わすシーンには爆笑してしまった。{/netabare}

俯瞰してこの物語を観ると、
フジテレビで放映したことが納得できる。
恋人同士のすれ違いや諍いが起こる
よくある恋愛ドラマの構図になっているからだ。
その道具立てにオタクの要素を取り入れたことで、
滑稽で新しさを感じさせる。

例えば、喧嘩しているときに
ドラゴンクエストのゲームの要素を
持ってきて展開させたり、
仲直りするときに「じゃ、ゲーセン行くか」で
締めたりするところはとても微笑ましく感じる。

作者が女性ということで、見せ方が上手い。
悪く言うと、リアリティに欠けているという
意見になるのだろうが、
{netabare}(まぁ、26歳くらいの宏嵩が幼馴染の成海を
ずっと片思いしていたという設定は違和感があるが、
そういうこともなくはないと、私は考えることができる){/netabare}
少女漫画特有の軽快感とスマートさが
全面に出ていて、個人的には好感を持った。
思わず原作を買いそうになったが、
ツタヤのレンタルで済ませて、全巻読破した。
こちらは、細かいネタごとの展開になっていて、
気軽に楽しむことができる。
欄外により細かいオタクネタが
散りばめられているのが、とても興味深かった。
作者はガチのオタクなので、とてもリアリティがある。

最近のアニメの定石といえる実写化も実現。
ほかの作品とは違い、2組のカップルが中心となり、
ドラマチックな展開もあるため、
俳優や監督の力量によっては成功する可能性も
ゼロではないと思っていたが、
監督に『勇者ヨシヒコ』シリーズの福田雄一を
起用して大コケしたようだ。
この監督のことをどうこう言うつもりはないが、
どう考えても監督の選定が間違っている。
この作品はラブコメが重要なのに、
どうして、こういう方向になってしまうのかが疑問だ。
ネットで評判を見ると、原作を大幅改変していて、
どうにもならないデキだったという意見が多数。
実写化によって幸せになるアニメは、
極々僅かな印象なので、個人的にはやって欲しくない。
金の問題だから仕方ないのだろうが…

アニメ版も評判はそれほど良くないが、
個人的には十分に成功していると思う。
ラブストーリーとしても面白いし、
オタクネタも笑わせてくれるシーンが多かった。
こんな美男美女でキレイなオタクはいない、という
ツッコミをよく見かけるが、
それは、少女漫画に対してはあまりそぐわない。
脇の声優には小柳のCVが沢城みゆき、
樺倉のCVが杉田智和というベテラン同士の組み合わせで、
とてもテンポが良く、さすがの上手さを発揮している。
特にかけ合いのようなふたりの喧嘩は最大の見どころで、
声優の上手さとネタの面白さの相乗効果によって、
より魅力的なシーンとなっている。
そして、主人公・成海の伊達朱里紗も味のある可愛い声で、
主人公・宏嵩の弟の彼女になるであろう
桜城光のCVに悠木碧を起用するという豪華声優陣を配しており、
より魅力的な作品となっている。

それにしても悠木碧の多彩な声には改めて感服する。
今回の桜城光のCVも最初聴いたときには
誰だか全く分からなかったし、ドラクエ風の機械的な
ゲームヴォイスだけで登場している回もあって
エンドクレジットを見て驚かされた。
アニメにおいて声優がどれだけ重要かを
改めて感じさせてくれる。

OPとEDは耳ざわりの良いスマートな楽曲で
どちらも作品に合っている。
EDの『キミの隣』を歌うhalcaは
特徴のある柔らかなボーカルが魅力で、
放映当時はDLして、よく聴いていた。
現在は『邪神ちゃんドロップキック´』の
OPも担当していて、こちらも最近はよく聴いている。

1話を観るまでは、作品のイメージが好みではなかったので、
どちらかといえば敬遠していたのだが、
1度観始めると、グッと引きつけられしまった。
何となく避けていた人は、ぜひ試してもらいたい。
(2018年8月19日初投稿・2020年5月30日追記&修正)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 63

68.8 2 2018年度のイケメンアニメランキング2位
アイドリッシュセブン(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (93)
394人が棚に入れました
トリガーと競った「ブラック・オア・ホワイト」での勝利を経て、新たな一歩を踏み出したIDOLiSH7(アイドリッシュセブン)。存在感を示したことでレギュラー番組も決まり、さらに知名度を高めていく。だが、活躍の場が広がるほど、担う責任や寄せられる期待は大きくなっていく。そんな時、共演したトップアイドル「Re:vale」(リヴァーレ)のエンターテイナーとしてのプロフェッショナルな姿を目の当たりにする。誰かを笑顔にしたい、幸せにしたい――。その想いを貫くために、どうあるべきなのか?陸たちは自らと向き合っていく……。

声優・キャラクター
増田俊樹、白井悠介、代永翼、KENN、阿部敦、江口拓也、小野賢章、羽多野渉、斉藤壮馬、佐藤拓也、保志総一朗、立花慎之介、千葉進歩、興津和幸、佐藤聡美、小西克幸、川原慶久、古川慎
ネタバレ

ヱルリラ☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ストーリーの持って行きかたはさすが!

アイナナ自体は、原作であるゲームの時から好きな作品なので、そのあたりと照らし合わせてもレビューしていきたいと思います。


~最新話までの全体の感想~
まず、第一印象!皆ぬるぬる動いてる!!←笑 
そして、「あの歌」に合わせて一曲まるまるフリと共に踊ってる!
これはかなりの感動でした(*>ω<*) 嬉しかったのは、作画がとてもキレイで、
ダンスシーンのカメラアングルなどもアイドルを追うカメラの動きを
再現しているようで臨場感があったこと。
見せ場におけるこういう盛り上げ方は嬉しいですね!
やはり、ゲームでは再現できない細かい部分の動きであったり、
アニメオリジナルのちょっとしたシーンがとても楽しませてくれたなぁと。
今後の展開の描き方にも期待が膨らみます、、、!

アイナナは、原作からしてシナリオがすごーくよくできており、
とにかく一人一人のキャラにまつわるストーリーが細かく作られているので、
初めての方も単なるアイドルものの主人公成長アニメと思わず、
是非視聴を続けて貰いたいですヽ(*>∇<)ノ
(更新日:1月27日)

以下、一話ごとのネタバレありありな感想になります


第1話&第2話
{netabare} アイドリッシュセブンの記念すべき結成のお話。
嬉しかったのは、1・2話を同時に放送してくれたことで、
初ライブのシーンまでの一番盛り上がるシーンをどんっと
一挙放送してくれたところですかね!
たぶん、ライブからの「アイドリッシュセブンでーす!」のくだりで
おおっ!と引き込まれた視聴者も多いのではないでしょうか笑 
物語を急ぎ足にすることなく、でもしっかりと魅力を強調するような
作り方や放送の工夫をしてくださったなぁと。
一つ心配だったのは、ゲームの方では設定上あまり触れられてない
マネージャーの紡ちゃんでした。だいたい、このような男性メインな物語だと
女性キャラは評判が高くない印象があったので、、、汗
でも、そもそもアイドリッシュセブン自体が逆ハーレムな話ではないので、
紡ちゃんもアイナナのメンバーと一緒に成長していく様子を
純粋に応援していけるような、そんな描き方に感じました。
第3話以降、各キャラに焦点が当てられていくので
楽しみにしたいと思います。 {/netabare}


第3話
{netabare} ついについに!先輩グループのTRIGGERが
しっかり登場しましたね!実は、ナギや三月、ヤマさんたちが
巻き込まれた事件というのはゲームではしっかりと触れられていたのですが、
さすがにそこはアニメではカットでした。もしかしたら今後
何かの特典などでアニメ化される機会でもあるのかな?
とはいえ、天くん!崩れ落ちるところがサービスカット過ぎるでしょ!!笑笑 
TRIGGERファンには目が離せない回でしたね。
しかも、シクナイ(SECRET NIGHT)をフルで踊ってくれた!
そして、一部話題になっているのですが、彼らが踊ってたホールって
もしや横○アリーナなんじゃ、、、?こういうファンの想像をかき立てる
小さな工夫がホントに楽しませてくれます。そしてそして、
今回また少し明らかになったキャラの事情。天と陸がまさかの
双子の兄弟という(←既知)アイナナの闇が少しずつ表にあらわれてきたなぁと笑 
最後に、次週は何を歌ってくれるのかが楽しみです {/netabare}


第4話
{netabare} 4話まで観て改めて思うのが、やっぱり一織は陸に対して
デレ過ぎなのではないでしょうか、、、笑 あんなに可愛いキャラだったかな。
それはそうと、やはり天陸兄弟の、というか陸の兄に対する闇は深そうですね。
また、りっくんの怪しい咳の正体が明らかになった一話でした。
これ、アニメでは地味ながらもしっかりとした伏線になっていましたね!
それから、個人的な好みなのですが、姉鷺さんにもっとしゃべって貰いたい、、、!
マネージャー組、地味に好きなんです笑 
最後に、今回雨の路上ライブで歌ってくれていたのは「JOKER FLAG」でした。
よろしければYouTubeで是非全曲聴いてみてくださいね!
元気を貰えるアイナナらしい一曲です! {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

フォニー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ゲーム古参です

タイトル通り、ゲーム古参で、アイナナに心酔してる者が書いているのであまり参考にはならないかと思います。

最初の流れからしてゲームの本編をなぞると思っていましたが、17話ですしそんなことはありませんね。

6話で新曲を入れて原作のストーリーに少し細かい描写を加えていたり、いい感じに改変している感じです。
原作未読の方はもちろん受け入れやすいと思います。
ゲーム本編はいかにも女性向けで、基本スタンスとしてアイドルの成長を脇で見守ります。
この作品が乙女ゲームでなくて本当に良かったです。
女性向けではありますが、シナリオ自体はとてもしっかりしているし女性主人公とアイドルがむやみに関わることはないので入り込みやすいです。


原作では出来事ひとつにとつに重みがあって濃いので、アニメでは伝えたいことが盛りだくさんで少し急いでしまっているように感じます。
序盤はそれぞれの立ち位置だとか、人物像を固める必要があり、その上でグループとしての成長を描かなければなりませんから、急ぐのも仕方がないと思ってしまいます。

ただ、人物像やそれぞれの思惑が明かされてからこそこの作品を楽しめると私は思います!
キャラの方に魅力を感じれば自ずと内容にも魅力を感じるのでは、、、と思います。
17話でどこまで出しきるのかわかりませんが、途中で切ってしまう方がいたらとても残念なので、そうならないように少しでも後が気になるつなぎを作れると良いなと思いますね。

逆にいえば、女性向けのゲームはキャラがしっかり作られているのでそれでもキャラが気に入らないと内容に入り込めるのか、、わかりません、、。

ただ、この作品はひとつの物語として、キャラだけでなく内容もしっかりしていると思います。
特にファンだけでなく、第三者から見たアイドルたちの印象も描いている点が地味に素敵なところだと思います。


曲の好みは人それぞれですよね、、。
私はゲームユーザーなので音楽は私のストライクゾーンです。
この作品の声優は皆さんとても好きですが、個人的には歌唱力を気にすると全員が高評価というわけにはいきません。
この点で好ましくないと思う方もいるかと思います。

作画も好みが分かれそうです。
ゲーム版のスチルやグッズ用のイラストによってイラストレーターの方が違うので、ゲームのキャラデザととこのアニメのキャラデザは多少異なります。
ですが、基本キャラデザはどちらも好きです。
TROYCAさんが個人的に好きということもありますが、人物の線の細さや背景の艶めいた感じがまたいい感じです。

アイドルものによくあるダンスシーンのヌルヌル動くやつ、
動き自体はおそらく素晴らしいと思います。
ですがアイドルものを好みながらも、個人的にこのCG自体があまり魅力的に思えないので、同系統のうたの☆プリンスさまっ♪や、ツキウタ。を見たときにもあまり感動はしませんでした。
ただ、今まで静止画だったアイドルが動いている、その細かい動きを見れるのはとても嬉しい限りです。

ただ、大人数で歌って踊って、というのを作画するスタッフの皆さんはとても大変なんでしょう、、、。
ところどころ心配になる作画も見られます。
後半の作画は危ういかもしれませんね。


愛故にとんでもなく長くなってしまいました。
ゲームは女性向けですが、せっかくのアニメ化ですから、アニメはあくまでアニメとしてでも、多くの方の印象に残る作品になって欲しいです!


当時書いていたレビューが残っていたのでそのまま投稿します。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

男性アイドルグループのマネージャーになろう!(最終回: 第16、17話スペシャル観終わりました!)

スマホゲームアプリとの連動企画。ゲームのサイトを観た限りでは、基本設定はゲームとアニメで共通のようです。

私はTokyoMXで元旦に放送された1、2話スペシャルを見ましたが、1/2の24時にBS11で放送があるみたいですね。

一応、ターゲットは女性と思われます。タイトルになっている男性アイドルグループはメインキャラではありますが、主人公はそのマネージャーである小鳥遊紡(たかなし つむぎ)ですね。

紡は父の経営する小鳥遊事務所という芸術プロダクションに新入社員として入社早々、事務所が初めて手掛けることになった男性アイドルグループのマネージャーになるよう言い渡されます。

他に既に大人気の、八乙女事務所所属アイドルグループであるTRIGGER(トリガー)などが出てくるようですが、ストーリーにどう絡んで来るのでしょうか?

アニメだしアイドルなので特定のメンバーと主人公がくっつくというのは考えにくいので、そうするとキャラの掘り下げと主人公の成長物語がメインになるのでしょうか。

制作はTROYCAで、少なくともスタート時の作画は良いです。ステージ場面のCGの出来もかなり良いと思いました。ばらく様子見で観てみようと思います。

2018.5.14追記:
第15話+特別番組「キミと振り返らないと!」で2話を残して放送が止まっていたアイドリッシュセブンですが、いよいよ今週末から16話、17話が放送されます。

BD/DVD(特装限定版)はメンバーひとりずつがジャケットで全7巻が予定されていますが、1巻(2話収録)、2巻(3話収録)、3巻(2話収録)、4巻(3話収録)、5巻(2話収録)までが既に発売済みまたは発売予定が決まっていますので、おそらく6巻は3話収録、7巻は2話収録となるのではないかと思われます。

2018.5.22追記:
第16、17話スペシャルを5/20に視聴して、最終話まで視聴完了しました。

男性アイドルがメインのアニメ作品なんてそうそうちゃんと観ないのですが、本作品についてはメインストーリー部分でアイドリッシュセブンやそのライバルであるTRIGGERだけでなくそれぞれの所属事務所である小鳥遊事務所や八乙女事務所などなども巻き込んで、きちんとストーリーが作られていたこともあり、無事に完走することができたのでした。

特にアイドリッシュセブンのマネージャーである小鳥遊紡(たかなし つむぎ)の存在により男性視聴者がキャラクター配置的にも置き去りにならないようになっていたかと思います。本作品は「アイナナの物語」であったと同時に「つむぎちゃんの物語」でもありました。

初回のライブからの古参のファンが家族や友人を巻き込んでいく様子など、ドラマ的にもなかなか見所があり面白かったです。

キャラクター原案にベテラン少女漫画家である種村有菜先生が起用されていたのも良かったです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

69.2 3 2018年度のイケメンアニメランキング3位
Free!-Dive to the Future-(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (142)
737人が棚に入れました
高校を卒業し、水泳でつないだ絆を胸にそれぞれの未来へ歩み出した遙たち。遙は東京で、かつてともにリレーを泳いだ旭と再会する。中学生の記憶を呼び覚ます遙。その胸に蘇ったのは“あの時”の郁弥の姿だった。遙とともに上京した真琴は、新たな夢に向かって進み始め、シドニーへ旅立った凛は、新天地で意外な出会いを果たす。それぞれの未来で彼らを待ち受けていたのは、新たな戦いか。それとも、残してきた過去との対峙か……?

声優・キャラクター
島﨑信長、鈴木達央、宮野真守、内山昂輝、豊永利行、木村良平、細谷佳正、野島健児、日野聡、代永翼、平川大輔、宮田幸季、鈴村健一、鈴木千尋、渡辺明乃、阿部敦、松岡禎丞、広橋涼、津田健次郎
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

俺はFree!しか観ない。たぶん観ないと思う。観ないんじゃないかな。以下略

2018.10.03記


1期2期視聴済


おそらく人気の水泳アニメ第3期。
高校を卒業した遥たちが今度は大学の水泳部でどうなっちゃうんでしょう?のお話です。
環境が変わるため、新規の登場人物も大幅増員、人物相関も変化が生じることになります。

別の角度では、期を重ねる毎に男性視聴者がふるいにかけられ、果たして3期まで残って観てる男子諸君ってどんだけいるんでしょう?というのも気になる作品でもあります。
いったん男性視聴者の件は後回しで本作について、、、


 はるちゃんの対人コミュニケーション力が格段に上がってます


セリフが「あぁ」「うん」「そうだな」「俺はフリーしか泳がない」しかなかった七瀬遥が人として成長してるのです。
もちろんこのことは、「キャラ崩しやがって!プンプン」というようなものではなくて、1期2期通じての心境変化だったり、2期最終話の当人の決意などを通過してきた視聴者にはごく自然なこととして受け止められる範疇のものだと思います。
遥だけではない、真琴・怜・凛・宗介たちこれまでの主要メンバーらも一段階昇った「あの時があったからこそ今の君があるよね」という言動や描写がそこかしこに散りばめられています。こういったところ続きものの利点ですし、製作陣も踏まえておりました。
継続視聴組にはうれしいところです。

あっ!渚は安定して渚だったかも。。。


1期2期飛ばしてここに来る方は少ないというかいないと思いますが、本作の視聴にあたっては前の期視聴済みであることが前提になります。
さらに劇場版を観てたほうがいいかもしれません。私にはこれが抜けています。
TV版では帰省していた凛と遥が勝負するくらいの描写しかなかった中学時代だったのが、今回はその中学時代における別エピソードが物語の起点となってます。それは岩鳶中学の水泳部リレーメンバーたちの話。たぶんこれ劇場版で描かれてるんですよね?
そのため、本作の中盤までの主役桐嶋郁弥だったり、椎名旭、芹沢尚は私にとっては“はじめまして”の面々となり、劇場版で描かれてただろう前日譚の情報がないままの視聴となってしまってました。物語を追うのと辻褄合わせに苦労したのでやはり劇場版視聴も必須です。


かっこいいOP,崩したEDは健在。往年ファンの期待を裏切りません。

そして私がというより皆が毎度楽しみにしているプール作画も健在というかパワーアップした印象。Free!を観続ける最たる理由がこれです。


1期2期そして劇場版をおさえてとの前提つきで、おなじみのメンバーの成長っぷりを拝めるありがたい作品となってます。

さらに今回は、

(これまでより)勝負へのこだわりが強くなっている
(これまでより)友情が重層的に描かれ深みが増している
(これまでと違って)幼馴染みメンバー以外の人物に焦点をあててもいる

1期2期の様式美をあえて崩しにきてますが、確信犯でしょう。こちらについては新規登場キャラの収拾がつかないところはあるものの、私は好感をもって受け止めました。




だ・が・し・か・し・・・


作品通じてうっすらと薫ってきてはいた“腐”のそこはかとない香り。
作画の良さと軽めの友情物語で蓋をしてきたパンドラの箱を今回開けちゃいましたね。

{netabare}その名は、遠野日和♂{/netabare}

男性視聴者の減少に合わせた機を見計らって投入された(かもしれない)リーサルウェポン。

ポジション的には遥にとって真琴のような見守り役。
もしくは遥でこじらせちゃった男子(凛ちゃん)にとって宗介のような警護役。
と、柔と剛の違いはあれ対象とするキャラ一人に対しての想いが半端ないという役回りを演じる大学1年生です。彼が対象とするのは郁弥くんになります。

{netabare}で、彼

一言! 気持ち悪い
二言! こんな奴いない

これあまり言いたくないのだけれど、女子ばかりのアニメ観て「わーい」と喜んでる男性諸氏に対して、女性陣が感じている違和感に近いのかもしれません。
すなわち、

 「こんな女、現実にいねーよ」

ひよりくんはまさにその男版にあたりそうです。
{netabare}ちなみに8話まで気持ち悪い奴でその後毒が抜けます。その8話は良い回でしたね♪{/netabare}
なお、よくこんな奴いないと言いつつも長い人生似たよう人物に出会うことはあります。現実的にいなさそうとは、一対一ないし多人数でやり取りする際の会話におけるリアリティの欠如をばんばんに感じるところでしょうか。

八頭身イケメンを揃えたところで男性客は離れていきません。…少なくとも私はね。。。

一例を挙げます。

{netabare}観覧席で隣同士郁弥と日和が座っている。そこに次の試合で郁弥と泳ぐ予定の旭がやってきて、いい勝負しようぜないしお前には負けない的なことを言ったのを受けて、

郁弥「僕が勝ったら何か奢ってよ」

そこで隣の日和はどんなリアクションをしたでしょうか?

1.特に関心を示すことなく無言
2.「俺にもなんか奢ってよ」と便乗
3.「旭!お前が勝ったら高いもんねだっちゃえ」と郁弥イジリ
4.「あー旭には残念だがおごり確定だな」と旭イジリ
5.「郁弥のお気に入りはピスタチオドリンクだよ」と郁弥の好み知ってるぞアピール
6.「郁弥のお気に入りはパクチーサラダ(仮)だよ」と苦手なものを挙げてツッコミ待ち

正解は・・・{netabare}5番でした。{/netabare}
サシの勝負を前にして、男の場合、基本部外者はしゃしゃり出ませんので1.が妥当。またはわりとガチめの火花を散らすかです。ここでは軽口を叩いてリラックスしてやろうよ、との郁弥の意図があるため、その意を組んであげるかという力学しか働かない場面でしょう。次点で2.3.4.6.。
そうなるとまず取らない選択肢が5.。百歩譲って好きなモノはこれだよねと郁弥に断わりか確認をとってというのならあり得ますが当人を差し置いてはまずないです。
{/netabare}
これまだ軽いやつですし、文面上では私の表現の拙さもあるやもなので現物の日和くんを見てもらいたいと思うよ、と宣伝しときます。
真琴でも渚でもなんとか耐え抜いた自分が敗北した瞬間でした。

あー日和で尺をずいぶんとってしまったよ。きちんと見所いっぱいあるのにね。{/netabare}
{netabare}そしてブレない渚。「ひよちゃん」ってさっそく懐に入り込んでたりする。{/netabare}


なお、最終回はきれいな区切りか?と問われると難しいところではあるものの、4期がありそうな幕の降ろし方でした。
今期終盤では、今後ちょい熱めの展開が進展していきそうな含みを持たせており、Free!にあるまじき物語が紡がれるかもしれません。
流しのコーチ龍司さんもいわくつきの過去ありそうですしね。{netabare}亡くなった幼馴染みって凛の父親だったりして・・・{/netabare}


だいぶ日和くんを腐しましたが、作品自体は嫌いじゃないからね。

See You in 2020...


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2019.03.02追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

もっと遠くまで、もっと自由に。飛び込め、未来へ!

Freeの3期にあたります。

テレビシリーズの1期、2期はもちろん、

劇場版「ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-」、
特別版「Free!-Take Your Marks-」
も見てからの視聴をおすすめします。

そうしないと人物の相関図についていけないと思います。
キャラが多すぎるww

これまでのテレビシリーズのキャラはもちろん、
今回から「ハイ☆スピード」のキャラもメインキャラの仲間入りです。

なんかもう、オールスターズ状態ですw

全12話です。


● ストーリー
高校を卒業した遥(はるか)と真琴(まこと)は、
東京の大学に進学した。

遥は大学の水泳部に入り、
そこで中学時代の友人・椎名旭(しいな あさひ)と再会する。

同じく中学時代の友人だった桐嶋郁弥(きりしま いくや)を
新人戦の会場で見かけるが、彼はみんながバラバラになった後、
心を閉ざしてしまっていた。

一方、岩鳶(いわとび)高校水泳部には3人の新入部員が入り、
高校最後の大会に向けて怜(れい)と渚(なぎさ)も新たなスタートを切っていた。


主人公は遥なので、
お話のメイン舞台は東京に変わりました。

コーヒー飲んだり、
都会の大学生っぽいことしてる遥たちに私は動揺w

高校生の初々しいはるちゃんたちを知っているから、
そういう成長や変化は喜ばしいような、寂しいような(´;ω;`)

「ハイ☆スピード」のメインキャラである旭や郁弥が絡むお話なので、
“「ハイ☆スピード」の続編”という印象がありました。

心を閉ざした郁弥、
さらに郁弥を遥たちと接触させまいとする日和(ひより)などの動きもあり、

今までのテレビシリーズと違った空気の重さが…(;´Д`)

「ハイ☆スピード」も空気の重さを感じましたが、
私はテレビシリーズの明るくてアツいノリの方が好きだったんだけどな…。

明るさ担当の渚の出番が少ないのは、痛い。
そして郁弥が絡んでくると、話が重くなる。笑

ラスト2話は全キャラ集合だったので、
いつも通りのFreeの雰囲気を楽しめたので、そこはよかったです^^


しかし最終回が…えー…。

続編のお知らせがあったものの、
あれは賛否両論ありそうな終わり方ね。

これ終わるのか?1時間スペシャルだっけ?という焦りさえ感じるほど、
尺いっぱいいっぱいでした。

いつものFreeなら、スペシャルEDに浸りながら、
もっと余韻を楽しめたんだけどなあ。

今回の最終回は内容が詰め込まれていて、
しかも中途半端な終わり方で、あまりいい余韻がない…。

ひとつひとつのレースは素晴らしかったんだけどな!
いやもう、内容が濃すぎたってことにしておきます!

2020年の、そしておそらく夏に続編放送とか、
もうオリンピックと同じレベルの心持ちで見守らなければいけませんね(`・ω・´)


≪ 水の描写 ≫

作画はさすがです。特に水の描写がすごいです。

最終回の冒頭は水に関する描写がたくさん流れるのですが、
どれもが圧巻。

それだけ、この作品は“水”にこだわってきたのだなあというのが、
強く感じられました。

遥はこれからも水と共に歩んでいくのでしょう。
そういえば、遥はどこでも服を脱ぐという悪癖がなくなりましたねw


● キャラクター
多いなあと思いましたw

だけど、ちゃんとそれぞれのキャラに見せ場があり、
どのキャラのファンに対しても優しいです。笑

そしてキャラの意外なつながりが発覚したりと、
驚きもありましたw

郁弥が絡むと話が重くなりますが、
沈んでいるところから解放されたときの郁弥は、
劇場版同様、反則級にかわいくなりました(*´Д`)あのギャップずるい

1期は渚、2期は真琴推しでしたが、
3期はまたしても渚がかわいくて魅力的でした♪

3年生になって渚も大人っぽくなりましたね。
回想シーンに登場する渚が一番かわいかったですけどw


●音楽
【 OP「Heading to Over」/ OLDCODEX 】

1期と2期同様、
OLDCODEX担当のOPは安定ですね^^

今回もロックでかっこいい曲でした♪


【 ED「GOLD EVOLUTION」/ STYLE FIVE(メインキャラ5人) 】

明るい曲調ですね♪

映像はキャラ全員集合ですごいことになってますw
アイドルみたい。笑

みんなのドレスコードがかっこよすぎ!似合いすぎ!

ただ、今までのEDのような、
不思議な世界観がなくなっているのが残念です(´・ω・`)笑


【 スペシャルED「Blue Destination」
  / STYLE FIVE+椎名旭(豊永利行)、桐嶋郁弥(内山昴輝) 】

今までのスペシャルEDがよすぎたのか、
今回は強く印象に残りませんでした。いい曲だったけどね。

映像もシンプルでしたね。
親族というくくりは新鮮だったw

どういうキャラ選抜なのか?
主人公の遥をはじめとする主要キャラが登場しないという異例さにもびっくりw


● まとめ
キャラが多くて、結果いろんなストーリーが錯綜していて、
まとまりがないなあと思っていましたが、

最終的には大会に絡めて、
うまくまとめてくれました^^

高校生の遥たちの物語がきれいに完結し、
それで十分満足していたので、

大学生編の必要性が個人的には疑問だったのですが、

最終回を見て、大学編は大学編で、
キャラも増えて見どころもあってよかったと思えるようになりました。

絆っていいね♪そんな青春を続編でも楽しみたいです^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

飛び込め、未来へ!

この作品は、「Free!」の3期に相当するモノです。
物語の内容に繋がりがあるので、1,2期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

2期で岩鳶高校水泳部としての最後のレースに出場し、力を出し尽くした遥と真琴は、今期から大学1年生として新たな一歩を踏み出すことになりました。

真琴は水泳の先生に…凜はオーストラリアへのそれぞれ目標を持って動き出していました。
遥は…遅ればせながら世界の舞台で泳ぎたいという夢を見つけ東京の大学に進学しました。

一方、岩鳶高校に残された渚と怜は3年生になり、今年が集大成の年になります。
高校生として全力全開で挑めるのはあと1回限り…

そんな水泳部に朗報が…
遥と真琴の卒業後に、3人もの新入部員が水泳部に入部したんです。
そのうちの一人はマネジャー志望ですけど…
でも、これで岩鳶高校水泳部としてまたメドレーリレーに挑めるということ…
渚と怜にとってこんなに嬉しいことはありません。
こうして一人ひとりが目標を持った状態で3期の物語が動き出します。

物語が動き出して圧倒されるのは、高校時代とは次元の違う速さをみんなが追及していること…
そして感じるのはそれぞれの種目に対する層の厚さです。
私は競泳の世界は良く分かりませんが、簡単に勝ちを拾える世界じゃないことくらいは分かります。

自分の全てをぶつけて…そのために水泳以外のあらゆるモノを投げ捨てないと価値を引き寄せられないのは想像以上に厳しい世界です。
そのためメンタルを含め、本番に向けて調子を上げる必要がある中、昔のしがらみによる呪縛にもがき苦しむ選手が未だ残っていました。
中学時代に遥と同じリレーチームにいた桐嶋 郁弥です。

だから今回は複数の物語が同時並行的に進んでいきます。
遥たち大学1年生らの目標を目標のままで終わらせない意志と行動の物語…
渚と怜たち岩鳶高校水泳部のジャージに込められた誇りと意地の物語…
そして、桐嶋 郁弥を巡る友情の物語…

自らを一歩上のステージに押し上げる事…
言うのは簡単ですが、実践するのはとても難しい事です。
まず、一歩上のステージが何か、具体的にイメージする必要があります。
そのステージには今の自分では辿り着けず、着実な成長を必要としていること。
そして、そのステージを押し上げるための具体策とそれを遂行するスケジュール管理。

こう考えると、人間ってホントに管理の必要な生き物なんだと思います。
間違えるし…勘違いするし…心も弱い生き物だから当然といえばそれまでなんですけどね。
誰かに管理してもらうのが必要な人、自分で自分を管理する必要のある人、状況に応じて様々だと思いますが、人間に総じて言えるのが管理の必要性…
だから誰の手も借りる事無く、自分で自分を管理できるのが一番理想的なのですが、ここに到達するにはそれなりの苦労が必要です。
ここで言う管理というのは、現状の抜け・漏れを防ぐ意味での管理ではなく、自分を着実に成長させるために必要な管理です。

彼ら立っているのは、日々自分を進化させ続けないと淘汰される世界…
コンマ1秒のタイムを削るために自分を徹底的に追い込む必要のある世界…
世界をみるとまだまだ凄い選手がゴロゴロいるでしょうし、挑む上でもプレッシャーは半端ないと思います。
そんな状況の中、彼らがどこまで自分を貫けるか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、OLDCODEXさんの「Heading to Over」
エンディングテーマは、STYLE FIVEさんの「GOLD EVOLUTION」

1クール全12話の物語でした。
最終話のラストで「See you in 2020...」とテロップが入っていました。
これは続編決定ということで良いんですよね。
これで終わったら、ファンから怒りと悲しみの声が殺到すると思いますので^^;
彼らがどんな速さを追い求めるのか…今から楽しみです♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
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